[シアトル/ワシントン 16日 ロイター] - 米航空機大手ボーイング<BA.N>は、2件の墜落事故を起こした旅客機「737MAX」の運航再開が年明け以降になる見通しとなったことを受け、同機の生産を来年1月から一時停止すると16日に発表した。世界中のサプライチェーンや米経済に影響が広がる可能性がある。

15─16日に取締役会を開いて決定した。

生産を停止する間、従業員のレイオフ(一時解雇)は行わないとした。

米連邦航空局(FAA)のディクソン長官は前週、737MAXの年内運航再開を認めない方針を示した。

737MAXは今年3月から運航停止が続いており、当局が運航再開を許可するまで機体の納入が凍結されている。

ただ、ボーイングはこれまで、月間42機のペースで同機の生産を継続し、サプライヤーからの部品購入も続けてきた。

業界関係者は生産停止について、納入が滞っている約375機に関連した手元資金のひっ迫が緩和されるものの、通常の生産を再開する際にサプライチェーンなどに問題が生じるリスクがあると指摘した。

ボーイングの株価は16日、約4%安で取引を終了。引け後の時間外取引でさらに1%下落した。

最大サプライヤーでMAX機の胴体などを製造するスピリット・エアロシステムズ<SPR.N>は16日、生産ペースの変更を把握するためボーイングと協力する考えを示した。

アナリストはこのほか、仏サフラン<SAF.PA>や英シニア<SNR.L>などのサプライヤーが影響を受けると指摘した。

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