&NTT、光通信基盤構想「IOWN」に80社超参加 素材関連増加
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米インテル、ソニーと設立する次世代光通信基盤の国際的な検討や連携の場「IOWN(アイオン)グローバルフォーラム」について、参加を検討している企業が80社を超えたことを明らかにした。11月に比べ、日本企業が30社超と3倍に増加。通信、電機大手に加え、光半導体の開発に欠かせない素材大手が増えている。2020年春の同フォーラム設立時に100社超の参加を見込む。
IOWNは、チップ間やチップ内のコア間の伝送に電子ではなく、光子を使った光半導体を機器に組み込むことでネットワークから端末までを光化し、電気制御の限界を大幅に超える情報処理能力を実現する。
データの伝送容量が従来比125倍と、瞬きの間(0・3秒)に2時間の映画を1万本ダウンロード可能。データ処理に伴う遅延も従来比200分の1となり、あらゆるモノやヒトの情報をリアルタイムに分析し、高度な自動運転や遠隔医療を可能にする。電力効率も100倍となるため機器の消費電力を大幅に減らし、1年間充電せずに使えるスマートフォンも実現できる。
IOWNグローバルフォーラムでは、米マイクロソフトのほか、仏オレンジ、米ベライゾン、台湾の中華電信なども参加を検討。24年の仕様確定、30年ごろの商用化に向け、光半導体、光通信ネットワーク、サイバー空間上に現実世界と同様の仮想世界を作り出す「デジタルツイン」の仕様といった関連分野ごとの作業部会設立を検討する。
NTTは20年以上、光子工学(フォトニクス)を研究してきた蓄積がある。ビッグデータ(大量データ)を効率良く収集する基盤技術、デジタルツイン技術などIOWNの核となる技術開発に強みを持つ。これに、IOWNグローバルフォーラム参加企業の技術を組み合わせ、エレクトロニクスからフォトニクスへの“ゲームチェンジ”を目指す。