[モスクワ 13日 ロイター] - ロシア中央銀行は13日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ6.25%とした。インフレ鈍化を反映したもので、中銀は来年上半期中の追加利下げの可能性はあるものの、差し迫ったものではないとの見解を示した。

利下げは今年5回目で、合計の利下げ幅は150bpとなった。ロイターが今月に入ってから実施した調査では今回は25bpの利下げが予想されていた。

ナビウリナ総裁は記者会見で「追加利下げの必要があるか2020年上半期に検討する」とし、「利下げ余地はなお存在するとみているが、来年2月の次回会合、およびその後の会合で、それまでに入手される情報すべてを勘案し、利下げの正当性、および適時性について再度協議する」と述べた。

次回会合は2月7日。ナビウリナ総裁は「われわれが示した見解は2月、もしくは上半期中に必ずしも利下げが実施されることを示しているわけではない」と指摘。中銀の分析でインフレ率を目標の4%に戻すために利下げが必要と判断された場合のみ、追加利下げが可能になると述べた。

前回の会合で50bpの利下げを決定した際、中銀は声明で今後の会合のうち1回で利下げの必要性を検討すると表明していたが、今回の声明ではこの文言は削除された。

中銀は年末時点のインフレ率は2.9─3.2%になると予想。来年第1・四半期に3%を下回り、底を打つとの見方を示している。ナビウリナ総裁は「来年下半期にはインフレ率は4%近辺に戻る」との予想を示した。

中銀は中立金利は6─7%にあるとみており、今回の利下げで政策金利はレンジ下限に一段と近づいた。

ノルデア銀行(モスクワ)の首席エコノミスト、タチアナ・エフドキモワ氏は、利下げペースは今後は減速していく公算が大きいと予想。ロシアン・ダイレクト・インベストメントファンドの首席エコノミスト、ドミートリー・ポレボイ氏は「中銀は行動を起こしてから様子見姿勢取り、その後に再度行動を起こすとモードにシフトしている」とし、「国内外で不確実性が高まっているため、中銀が来年、政策金利を6%を下回る水準に引き下げる用意ができているか、現時点では分からない」と述べた。

ロシア通貨ルーブルは一時対ドルで62.20ルブールと、2018年7月以来の高値を付けた。