[東京 13日 ロイター] - 安倍晋三首相は13日午後、都内で講演し、「首相4選」について麻生太郎財務相や二階俊博幹事長が触れるのは光栄だとしつつ、「全く考えていない」と述べた。憲法改正は「たやすい道でないが、必ずや自らの手で成し遂げたい。まだ任期が2年あるのでその覚悟で臨む」と述べた。

国民に信を問うべきときには躊躇(ちゅうちょ)なく衆院解散に踏み切るが、解散の大義については具体的に言う段階にないとした。

安倍首相は「(憲法改正を)最終的に決めるのは国民だが、国会議員は国民にその材料を提供する責任ある」と指摘し、臨時国会で憲法審査会に野党が出席し自由討議に応じたのは、参院選の結果を踏まえ「民意の勝利」と自賛した。

「私の任期は2年近くある」と述べ、「チャレンジャーの意識で、現状に甘んじることなく社会システム全体の改革を進め、激動する国際情勢で真のリーダーシップを発揮したい」と強調した。

高齢者の再雇用に関しては、元部下の下で働くことに肯定的な声が多いと事例を「紹介し、自らについても「安倍一強と言われているが、私も先をみながら若い人に優しくする必要を認識している」と述べた。

<森友・問題や桜の会、「政策論争以外で時間割き申し訳ない」>

国会運営に関連しては、「この3年間、モリカケ問題や統計問題、桜を見る会問題など政策論争以外で時間が割かれていることは大変申し訳ない」と述べた。

一方、日本経済にとって警戒すべき海外リスクとして、米中摩擦や中国経済、英国の欧州連合(EU)離脱や香港問題を挙げた。消費増税による影響は2014年の前回増税時ほど大きくないとの認識を示した。

環太平洋連携協定(TPP)については、英国がジョンソン首相の下で加盟するのであれば心から歓迎したいと述べた。米国離脱後のTPP交渉を踏まえ、日本は自由貿易の旗手として貿易ルールを作る側に回ったと指摘した。

(竹本能文 編集:内田慎一、田中志保)