[ジュネーブ 12日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)は12日、加盟国が今年10月半ばまでの1年間に導入した新たな貿易制限措置により影響が及んだ貿易は総額7470億ドルに達し、2012年以来の高水準になったと明らかにした。

関税や貿易規模の制限、税関手続きの厳格化など、新たに導入された貿易制限措置は102件で、前年同期から27%増加した。こうした措置の導入で、鉱物や燃料油、機械、機械設備、電気機械、貴金属のセクターが特に打撃を受けているという。

WTOのアゼベド事務局長は「歴史的にみて、貿易制限が多く導入された場合、各国で成長や雇用創出、購買力に影響が及ぶ」と指摘した。

WTOは10月、今年の世界貿易の伸び率予想を1.2%と、4月の2.6%から下方修正した。

WTOの推計によると、過去10年間に導入されて現在も施行されている制限措置は、世界貿易の7.5%(1兆7000億ドル)に影響を及ぼす。