[マニラ 12日 ロイター] - フィリピン中央銀行は12日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を2会合連続で4.0%に据え置いた。

同中銀は前年は利上げをしていたが、今年5月以降、景気支援姿勢に転じ3回利下げした。

ジョクノ総裁は会見で、政府の支出拡大や旺盛な内需で見通しが改善したとして政策金利を据え置く余地が生まれたと説明。

財政支出の拡大が経済を支えるとして、第4・四半期成長率予想を6.4─6.5%とし、前四半期の6.2%から加速するとした。

一部エコノミストは、中銀が来年、利下げか、銀行預金準備率の引き下げという形で金融緩和を再開すると予想している。

中銀は、物価動向も注視する方針。11月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.3%上昇し、6カ月ぶりに伸びが加速した。年初からの平均上昇率は2.5%で、中銀の目標レンジ(2─4%)に収まっている。

インフレ率予想は、国際原油相場、アフリカ豚コレラ、貿易政策の不透明感などの上振れ・下振れリスクを勘案し、今年2.4%、2020年と21年が2.9%で据え置かれた。

アナリストは、来年インフレが加速するものの、中銀の目標レンジ内にとどまり、必要に応じて追加緩和することは可能と予想している。

フィリピン政府は11日、2021年と2022年の経済成長目標を7.0─8.0%から6.5─7.5%に引き下げたが、2020年の目標は6.5─7.5%で据え置いた。[nL4N28L1JU]

一部エコノミストは、来年少なくとも1回の利下げを予想している。

中銀は、中期的に銀行預金準備率を1桁台にする計画で、今年は400bp引き下げ14%とした。ノムラはさらなる引き下げを予想している。