[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米大統領が、上院で開かれる可能性のある自身の弾劾裁判について、審理の簡略化を受け入れる態度を示していることが、事情に詳しい2人の関係筋の話で11日、明らかになった。

民主党が多数派を占める下院の司法委員会は10日、トランプ大統領弾劾決議案の概要を発表。本会議で来週にも承認される見通しで、上院で弾劾裁判が行われる可能性が高まった。

トランプ氏はこれまで、弾劾裁判が開かれるならば2020年米大統領選で民主党の有力候補となっているバイデン前副大統領などを証人として呼ぶ正式な審理を求める意向を示してきた。

ただ、関係筋によると、トランプ氏は現時点で、大統領職を奪われる脅威を速やかに回避するためにも、上院での審理を簡略化する案に傾いているという。共和党が多数派を占める上院はどちらにしても、トランプ氏に無罪の判決を言い渡すとみられる。

上院共和党トップのマコネル院内総務は先に、上院の弾劾裁判は証言を省くなど簡略化する可能性を示している。

ホワイトハウス内や上院共和党内の協議に詳しい関係筋は「トランプ氏が長々とした裁判を望んでいるとは思わない。可能な限り終了期限を明確にしたい考えだ」と指摘。

ホワイトハウスのギドリー報道官は、トランプ氏は上院におけるいかなるシナリオにも準備ができていると述べた。

マコネル氏と民主党のシューマー上院院内総務は、1月にも始まる見通しとなった弾劾裁判の基本原則を定めるため、近く非公開で協議を行うとみられる。