[シンガポール 10日 ロイター] - 原油先物は続落。世界原油需要の鈍化見通しへの懸念が石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」による追加減産を好感する見方を上回った。

0204GMT(日本時間午前11時04分)時点で、北海ブレント先物<LCOc1>は0.11ドル(0.2%)安の1バレル=64.14ドル。米WTI<CLc1>は0.07ドル(0.1%)安の58.95ドル。前日はそれぞれ0.2%、0.3%下げていた。

ANZ銀は10日付のノートで「中国の輸出が予想外に減少し、貿易摩擦の影響が浮き彫りになったことで、(減産合意を受けた)高揚感は長続きしなかった」と指摘。新たな対中関税の発動期日が週末に迫る中、市場は米中通商協議の行方に注目しているとした。

中国税関総署が8日発表した11月の貿易統計によると、輸出は前年比1.1%減少。エコノミスト予想は1%増だった。

一方、アクシトレーダーの市場ストラテジスト、スティーブン・イネス氏は、米中通商協議のリスクは年末にかけて残るものの、OPECの追加減産決定で根本的な不確実性は取り除かれたとし、原油相場の急落は当面ないとの見方を示した。