電池革命。従来のリチウムイオン電池の2倍のエネルギー密度を実現する固体電池が開発される(オーストラリア研究) : カラパイア
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ポリマー電解質にしたから容量2倍になったかのように読める記事なんですが、これ負極にリチムウム金属を使ったからなんですよね。
しかもコインセルの大きさなんで、あくまでラボレベル。実用化しようと大きくするとリチムウムデンドライトが発生して、電池の寿命が数百サイクルもしくは100回も充放電したら使えなくなる可能性が高いです。
ポリマー電解質も昔からあるもので、この研究の新規性は産業用ポリマーを使えることが分かったところしか無いと思いますよ。
リチムウム金属負極のバッテリーは、海外だとどこもやってますからね。トヨタがやっている「全固体電池」はセラミック(金属化合物の焼結体、つまり"焼き物")で、この研究は導電性のイオン液体ポリマーですね。まあ、溶媒を使わないという意味では固体ですね。
間違いではないですが、ただ、"solid"というと、どうしてもセラミックのイメージが強い。かといって「ポリマー電解質電池」と言ってもバズらないので、全固体電池の仲間としてアピールしている、というような気がします。
ポリマーとセラミックでは一般的に耐電圧や温度特性が全然違うので、同じくくりで語れる部分は限定的だとは思います。
導電性ポリマーを電解質にするというアイディアは90年代に盛んにやられた歴史の古いテーマ。ノーベル賞を取られた吉野先生のアプローチも、元々はポリアセチレンなどの導電性ポリマーに注目したものだったが(これは負極材料として)、結局は負極材料には炭素の方が良いということになり、導電性ポリマーを用いた電極というアプローチは淘汰されていった。
この研究では、溶媒を使わないイオン液体ポリマーを使った電解質を使うというアプローチで、PDADMA FSI(poly(diallyldimethylammonium) bis(fluorosulfonyl)imide、(C10H16F2N2O4S2)n)と、LiFSI(Li bis(fluorosulfonyl)imide、F2LiNO4S2)の混合物(論文ではモル比で1:1.5)で、負極をリチウム金属、正極をリン酸鉄リチウム(or Li1/3Ni1/3Mn1/3CoO2)の系で、
1.1 mAh/cm^2を超える容量密度を実現したとのこと。
アブストラクトだけだと作動電位もサイクルもわからんからなあ。デンドライト出来そうな気がするけど。
やはり、一般論では劣化が早そうなイメージ
http://nakayama.web.nitech.ac.jp/jp/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E5%AE%9F%E9%A8%93%E7%B3%BB%E7%A0%94%E7%A9%B6-2/%E5%AE%9F%E9%A8%93%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BE%8B%EF%BC%92/