[6日 ロイター] -

<為替> ドルが6営業日ぶりに反発した。予想を上回る11月雇用統計が支援した。

米労働省が6日発表した11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から26万6000人増と予想の18万人を超えて増加し、伸びは10カ月ぶりの大きさになった。

バノックバーン・グローバル・フォレックスの主任市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「きょう発表された雇用統計が堅調だったことは疑いないが、経済に対する見方を変更させるほど堅調だったのかというと疑問」と指摘。「米経済は依然として軟化しており、きょうの雇用統計によって第4・四半期の国内総生産(GDP)に対する予想が変わるとは思えない」と述べた。

ニューヨーク連銀のGDP予想「ナウキャスト」によると、第4・四半期の米GDP伸び率見通しは0.6%、来年第1・四半期は0.7%となっている。直近で発表された経済指標を受け、GDP伸び率見通しは第4・四半期で0.2%ポイント、来年第1・四半期で0.3%ポイント引き下げられた。

今週はADP全米雇用報告や製造業およびサービス業関連指標、建設支出など軟調な指標発表が相次いでいた。

午後の取引でドル指数<.DXY>は0.3%高の97.707。週間では0.6%安となり、下落率は11月初旬以来の大きさとなった。

ドル/円<JPY=>は0.1%高の108.59円。週間の下げは約2カ月ぶりの大きさだった。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.4%安の1.1058ドル。

ポンド/ドル<GBP=D3>は0.3%安の1.3128ドル。一方、対ユーロ<EURGBP=>では0.8467ポンドと2年半ぶりの高値を付けた。来週の英総選挙を控え、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不確実性が払拭されるとの期待が高まっている。

<債券> 国債利回りが上昇。雇用統計が堅調な内容となり、リスク選好が上向く中、株式などが買われ国債には売りが出た。

10年債利回り<US10YT=RR>は4.3ベーシスポイント(bp)上昇し1.8381%。一時6.9bp上げる場面も見られた。ダウ平均株価<.DJI>は300ドルを超える値上がりとなった。

11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から26万6000人増と予想の18万人を超えて増加し、伸びは10カ月ぶりの大きさになった。失業率は3.5%と、前月の3.6%から改善した。

ニューバインズ・キャピタル(ニュージャージー州)のマネジングディレクター、アンドレ・バコス氏は「このところやや軟調な経済指標も見られる中で、今回の雇用統計は経済状況の力強さを裏付ける内容だ」とした上で、景気が減速しているという見方に異論も出てきそうだと述べた。

10年債利回りが伸び悩んだことについて、ジャニー・モンゴメリー・スコットの主任債券ストラテジスト、ギー・ルバ氏は、雇用の伸びが季節的な臨時採用によって押し上げられたといった指摘や今後の改定で下方修正されるなどの見方が出たためではないかと話した。

2年債利回り<US2YT=RR>は3.5bp上昇し1.6169%。

<株式> 続伸。堅調な米雇用統計や米中通商合意を巡る楽観的な見方を追い風にリスク選好の動きが強まった。

主要株価3指数は軒並み、先週記録した最高値に1%に迫る水準で推移。しかし、米中貿易問題を巡る相反する情報やまちまちの経済指標を背景に、週足で上昇したのはS&P500総合のみだった。

11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月から26万6000人増と予想の18万人を超えて増加し、伸びは10カ月ぶりの大きさになった。失業率は3.5%と、前月の3.6%から低下した。

インバーネス・カウンセルの首席投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は雇用統計について「経済の基調的な強さを示した」とし、とりわけ米中通商合意を巡る不透明性を踏まえると、「企業に自信を与える内容」と述べた。

対中追加関税の発動期日が15日に迫る中、米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長はこの日、「建設的に協議している。ほぼ毎日話し合っている。われわれは近い」と述べた。

S&P500を構成する主要11セクター中、この日は公益株<.SPLRCU>を除きすべてが上昇して取引を終了。特に貿易問題に敏感な工業株<.SPLRCI>は1.3%高と、1カ月ぶりの大幅高となった。

エネルギー株<.SPNY>も高い。石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟国を加えた「OPECプラス」の協調減産拡大を巡る決定を受け、原油先物が1%超上昇したことに追随した。

カドロー委員長の米中通商合意を巡る発言を追い風に、フィラデルフィア半導体<.SOX>も1.6%上昇した。

個別銘柄では電気自動車(EV)テスラ<TSLA.O>が1.7%高。中国工業情報省は、補助金の支給を推奨する「新エネルギー車」のリストにテスラが中国で生産した「モデル3」の2タイプを掲載した。

3M<MMM.N>も4.3%高。ブルームバーグの報道によると、医薬品関連事業の売却を模索しており、実現すれば約10億ドルの規模となる可能性があるという。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.93対1の比率で上回った。ナスダックでも2.27対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は66億4000万株。直近20営業日の平均は66億5000万株。

<金先物> 堅調な米雇用統計の発表をきっかけに手じまい売りが誘われ、反落した。中心限月2月物の清算値は前日比18.00ドル(1.2%)安の1オンス=1465.10ドル。週間では0.5%安となった。

米労働省がこの日朝方発表した11月の雇用統計では、景気動向を反映する非農業部門の就業者数が26万6000人増加し、10カ月ぶりの高い伸びを記録。過去2カ月の就業者数も上向き改定された。また、失業率も横ばい予想に対して0.1ポイント低下し、約50年ぶりの低水準に当たる3.5%となった。

この統計発表を受け、横ばい圏で推移していた金塊相場は大きく下落。景気を支える雇用情勢の堅調さが確認できたとして米株価が上昇し、ドルが主要通貨に対して買われる中、安全資産とされる金塊は手じまい売りに圧迫された。

金塊現物相場は午後1時35分現在、17.550ドル安の1460.400ドル。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)の協調減産規模の拡大を好感して上伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比0.77ドル(1.32%)高の1バレル=59.20ドル。週間では7.3%の大幅上昇となった。2月物は前日比0.76ドル高の59.10ドル。

OPECは6日、ウィーンの本部でロシアなど非加盟の産油国と閣僚級会合を開いた。各国は原油相場の下支えに向け、協調減産を日量50万バレル拡大することで合意。これにより、減産規模は同170万バレルとなる。追加減産は来年1月に導入し、各国は3月上旬に延長の是非を協議する。合意を受けて、需給不均衡に対する警戒感が後退し、原油が買われた。

また、米労働省が6日発表した11月の雇用統計では、景気動向を示す非農業部門の就業者数が季節調整済みで前月比26万6000人増と、市場予想を大幅に上回った。米景気の底堅さが確認され、原油の買いに弾みがついた。

ドル/円 NY終値 108.59/108.62 <JPY22H=>

始値 108.57 <JPY=>

高値 108.91

安値 108.53

ユーロ/ドル NY終値 1.1057/1.1061 <EUR22H=>

始値 1.1093 <EUR=>

高値 1.1098

安値 1.1041

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 101*30.50 2.2845% <US30YT=RR>

前営業日終値 102*26.00 2.2450%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*05.00 1.8433% <US10YT=RR>

前営業日終値 99*19.00 1.7950%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*06.50 1.6675% <US5YT=RR>

前営業日終値 99*13.75 1.6200%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.63 1.6190% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*26.88 1.5820%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 28015.06 +337.27 +1.22 <.DJI>

前営業日終値 27677.79

ナスダック総合 8656.53 +85.83 +1.00 <.IXIC>

前営業日終値 8570.70

S&P総合500種 3145.91 +28.48 +0.91 <.SPX>

前営業日終値 3117.43

COMEX金 2月限 1465.1 ‐18.0 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1483.1

COMEX銀 3月限 1659.6 ‐46.3 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 1705.9

北海ブレント 2月限 64.39 +1.00 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 63.39

米WTI先物 1月限 59.20 +0.77 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 58.43

CRB商品指数 181.1905 +1.1223 <.TRCCRB>

前営業日終値 180.0682