[リヤド/ドバイ 4日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)でブックランナー(主幹事)を務める金融機関が、公開価格を仮条件の上限である32リヤル(8.5ドル)に設定するよう同社に助言したことが、事情に詳しい3人の関係筋の話で明らかになった。

同価格に基づくと、IPOの資金調達額が世界最大となる可能性があるほか、アラムコの上場時の時価総額は1兆7000億ドルと、米アップル<AAPL.O>を追い抜き、上場企業の時価としては世界最大となる。ただ、ムハンマド皇太子が当初目指していた2兆ドルには届かない。

公開価格については、IPOの監督役を担う実行委員会によって4日に最終決定が下される見通し。同委は政府当局者やアラムコ幹部、銀行の担当者によって構成されており、ムハンマド皇太子に直接報告を行っている。

公開価格が32リヤルに決まった場合、資金調達額は、中国電子商取引最大手アリババ<BABA.N>が2014年に上場した際に調達した250億ドルを超え、過去最高となる見通し。

アラムコは30─32リヤルの仮条件を提示していた。ロイターは同社にコメントを求めたが、これまでのところ応じていない。

2人の関係筋は、アラムコの引受主幹事が同社株への機関投資家からの強い需要に対応し、売り出し株数の15%を対象とする「グリーンシューオプション(株式の引受価格での追加取得権)」を行使する可能性があると指摘。その場合は売り出し株数が発行済み株式に占める割合が1.5%から1.725%に上昇するという。

アラムコは5日に機関投資家の需要を調べるブックビルディングの結果を発表する見通し。

同社は当初、株式全体の0.5%を個人投資家に、1%(20億株)を機関投資家に売り出す計画を示していた。

個人投資家の応募は11月28日に締め切られ、474億リヤルの応募があり、応募倍率は約1.5倍となった。