指先で細やかな感触を体験、NOKの触覚再現グローブが面白い!
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視覚の三原色に対応する触覚の原色(基底)はいくつあって,それは何か?というのは長いこと触覚研究者の知りたいところなのですが,決定打は出てきていないというのが現状です.
受容器自体は主に4種類の機械受容器と,温冷や痛みなどに感度のある神経終末があることが知られているのですが,視覚のようにダイレクトに受容器に光が到達するのとは違って,触覚の場合には間に皮膚がある影響で,なかなかそれぞれを独立に刺激するというのは難しく,それゆえになかなか独立な「原色」という形にまでは落とし込めません.
この記事の技術は,東大名誉教授の舘先生が提唱されている触原色の原理に基づいています.そのグループでは今は主に,温度・指全体の振動・表面の細かいテクスチャ(空間的な分布)の3つにフォーカスしています.最後のテクスチャは電気的に表面の受容器を刺激することで提示します.もちろんパーフェクトに触感再現とはいかないですが,一方でこのような少ない種類の刺激でも,その組み合わせで思った以上に多様な感覚を提示できるようになっているのが面白いところです.