[パリ/ロンドン 3日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は3日、米国がフランス製品に対する追加関税を検討していることについて「受け入れられない」と発言、仏をはじめ欧州連合(EU)は報復する用意があると述べた。

米通商代表部(USTR)は2日、仏デジタルサービス税が米IT(情報技術)企業を不当に差別しているとして、シャンパン、ハンドバッグ、チーズなどフランスからの24億ドル相当の輸入品に最大100%の追加関税を課す可能性があると明らかにした。[nL4N28D03Q]

USTRは「通商法301条」に基づく調査の結果、仏デジタル課税は「国際税制の一般的な原則に合致せず、対象となる米企業にとって異例の重荷だ」と結論付けた。

トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため訪れたロンドンでマクロン仏大統領と会談。デジタル課税について「課税対象企業は米国のハイテク企業だ。彼らは私の好みではないが、何にせよ米国企業であって、課税するのはわれわれだ。他人が課税する話ではない」と語った。同時に「何とかなるだろうし、相互に利益をもたらす課税方法もある」とした。

マクロン氏は「フランスや欧州の国益を断固守る」と応じた。

USTRはすでにEUによる航空機製造大手エアバス<AIR.PA>への補助金に対する報復関税として、仏産のワインやチーズなどに25%の追加関税を課している。[nL3N27301S]

ルメール氏はラジオ・クラシークに「米国の新たな制裁についてはEUが報復する用意がある」と発言。その後の記者会見では「フランスはいずれの国も標的にはしていない」と述べた。

また経済協力開発機構(OECD)でデジタル課税など国際課税制度の見直しに向けた合意が得られれば、仏デジタルサービス税を直ちに廃止すると改めて指摘した。

パニエリュナシェ仏経済・財務副大臣はシュド・ラジオで、「この問題については好戦的にならなければならない」と述べた。

仏デジタルサービス税は同国内の売上高が2500万ユーロ(2786万米ドル)で、世界での売上高が7億5000万ユーロ(8億3000万米ドル)の企業に対し、デジタルサービス収入の3%を徴税するもので、アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグルやフェイスブック<FB.O>、アップル<AAPL.O>、アマゾン・ドットコム<AMZN.O>などが対象になる。

ロス米商務長官は同日、ニューヨークでロイターに対し、仏デジタルサービス税は「利益ではなく売上高に課税する非常に過激な概念」で、仏政府の財政赤字を穴埋めするために税収を増やす狙いがあると批判した。

「諸外国は、成功を収めている米企業を罰するよりも、自国の技術開発に専念した方がより良い成果を得られるだろう」と述べ、利益ではなく売上高に課税するのは「奇妙でもしかすると危険な」行為だとの認識を示した。

*内容を追加しました。