(ブルームバーグ): 論争を呼んだ欧州中央銀行(ECB)の利下げと債券買い入れの再開について、ECB理事候補の2人は支持を表明しながらも、副作用を注意深く監視しなければならないと指摘した。

12月3日の指名公聴会を控えた欧州議会からの質疑に対し、ドイツ出身の候補イザベル・シュナーベル氏は、9月に決定された金融緩和パッケージは「現在のインフレ統計、中期のインフレ見通しから正当化できる」と回答。マイナス金利で分かったことは「全体として」前向きだが、銀行の利益率に対する影響が大きくなり、金融政策の効果に障害が及ぶ段階に達する可能性もあると論じた。

別の理事候補、イタリア出身のファビオ・パネッタ氏は、9月の政策パッケージが「相応で適切」だと述べつつ、マイナス金利は家計の貯蓄や消費、銀行の融資や利益率に「悪影響」を及ぼしている可能性があると指摘した。

シュナーベル氏は先月辞任したラウテンシュレーガー前理事の後任、パネッタ氏は12月末で任期が切れるクーレ理事の後任に、それぞれ唯一の候補としてユーロ圏財務相の指名を受けた。欧州議会は2人の指名に意見を付けたり承認手続きを遅らせたりすることが可能だが、最終的な就任を阻止することはできない。

原題:ECB’s Nominees Back Negative Rates And Warn of Side Effects (1)(抜粋)

--取材協力:竹生悠子、Piotr Skolimowski、Alexander Weber.

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