[ブリュッセル 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比1.0%上昇で、10月(0.7%上昇)から加速し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(0.9%上昇)も上回った。ただ2%未満でその近辺とする欧州中央銀行(ECB)の目標からは程遠い水準にとどまった。前月比では0.3%低下した。

未加工食品が前年比1.8%上昇と、10月(0.7%上昇)から加速する一方、エネルギー価格は前年比3.2%下落し、10月(3.1%下落)以上に落ち込んだ。

ECBがコアインフレ率と呼ぶ、未加工食品・エネルギーを除くインフレ率は前年比1.5%上昇し、10月(1.2%上昇)とエコノミスト予想(1.3%上昇)をともに上回った。

市場が注目する、さらに対象を絞ったコアインフレ率(未加工食品・エネルギー・アルコール・たばこを除く)は前年比1.3%上昇で、10月(1.1%上昇)から加速し、エコノミスト予想(1.2%上昇)を上回った。

ユーロ圏域内総生産(GDP)の3分の2以上を生むサービス部門の価格は前年比1.9%上昇。10月(1.5%上昇)から加速した。

また、10月のユーロ圏失業率は7.5%と2008年7月以来の水準に改善。失業者数は3万1000人減少し1233万4000人となった。

ECBは来月12日に理事会を開催する。今後数カ月で金融政策スタンスの変更は見込まれていない。

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