[ロンドン 28日 ロイター] - 12月12日の英総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が単独過半数を獲得する確率が28日、調査会社ユーガブの予測モデルで選挙期間中で最高を付けたのを受け、ポンドが上昇した。

ユーガブの予測モデルによると、保守党は定数650のうち359議席を獲得して単独過半数を獲得、その他の政党の議席合計との差は68議席となる見通し。

予想通りなら、保守党は1987年以来で最大の過半数を制し、ジョンソン首相にとっては欧州連合(EU)と合意済みの離脱案に基づき来年1月31日にEUから離脱する付託となる。

これと別に、ブックメーカー(賭け屋)、ベットフェア・エクスチェンジの計算によると、保守党が過半数を獲得する確率は28日、今年最高の70%を付けた。これを受け、ポンドは21日以来の高値に達した。

保守党勝利の見通しはポンドの支援材料になると受け止められてきた。

ただし、デリバティブ市場の動向を見ると、さらなる上昇が約束されているわけではない。

英国が1月にEUを離脱しても、EUとの貿易協定を巡る交渉の火ぶたが切られるだけで、英経済を取り巻く不透明感は一掃されないことが理由のひとつだ。

オプション市場では現在、将来ポンドを売る権利である「プット」の需要が、買う権利の「コール」を上回っている。