[ルアンプラバン(ラオス) 23日 ロイター] - タイ中央銀行は23日、通貨高の抑制策について、既に利下げ余地が乏しいことから、外国為替市場と外貨準備に関する規制緩和で対応する方針を打ち出した。

タイバーツの対ドル相場は年初来で7.7%も上昇し、世界的な貿易摩擦に苦しんでいる輸出企業にさらなる重圧を与えている。

ただ中銀は今月、政策金利を1.25%と世界金融危機以降の最低水準まで引き下げた。ウィーラタイ・サンティプラポップ中銀総裁は記者団に「政策金利は東南アジア地域(の他国)と比べて低く、これ以上大幅に下げられない」と語り、マイナス金利は構造的な問題をもたらすと否定的な見方を示した。

このため総裁は、外為関連法を見直してより柔軟に動けるようにすると説明。また外貨準備の面でも、企業が海外に外貨を留保したままにできるように規制を緩めることを検討すると付け加えた。

一方、Mathee Supapongse副総裁は、中銀が非金融機関を通じて直接外為市場に影響を及ぼせる手段も考慮中だと述べた。それ以上具体的な内容は明らかにしていない。