【理研トップ】元京大総長、初めて山中教授とiPSを語る

2019/11/29
2008年、京都大学にiPS細胞の研究センターができたのは、ヒトiPS細胞の発見からわずか1年後のことだった。
学内のすさまじい抵抗勢力を抑えてこれを作った松本紘・副学長(当時)の回顧に耳を傾けてわかるのは、彼は当時、「最善を尽くした」ということだ。
それは称賛に値するだろう。だが、結果としてiPS細胞研究と、日本の再生医療が大成功したとは言いがたい。
再生医療はまだ一歩を踏み出したばかりだが、その段階で支援をストップさせようというのだ。日本の国家戦略に、信念はあるのか。果たしてどこで間違えたのか。
松本紘との徹底対話90分を、余すことなくお届けする。

iPSに見た「可能性」

──ヒトiPS細胞が発見された当時、京都大学の副学長でした。
松本 iPS黎明期のことを知りたいわけやな。