[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが当初軟調だったものの、11月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)が7カ月ぶりの高水準を付けたことを受け、上昇に転じた。

IHSマークイットが発表した11月の米製造業PMI速報値は52.2と、10月の51.3から上昇し、4月以来の高水準を付けた。市場予想は51.5だった。サービス部門PMIも51.6と、10月の50.6から上昇し、市場予想の51.0を上回った。

これに対しユーロ圏では、IHSマークイット発表の11月総合PMI速報値が50.3と、前月の50.6から低下し、景況拡大と悪化の分かれ目となる50に一段と迫った。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.24%高の98.23。一方、ユーロは対ドルで0.28%下落した。UBS(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏は、米PMIが好調だった一方、ユーロ圏PMIが軟調だったことでドルがやや押し上げられたと述べた。

ドル指数は週初からは0.24%上昇。来週に感謝祭の祝日を控える中、今週は米中通商協議を巡り相反するニュースが出てきたことで、積極的な取引が手控えられる展開となった。

米中通商協議を巡っては、中国の習近平国家主席がこの日、米国と「第1段階」の通商合意をまとめたい考えで、貿易戦争を起こさないよう取り組んでいると表明。ただ同時に、必要なら報復措置を講じることを恐れていないと述べた。トランプ米大統領もこの日、米中通商交渉は非常に順調に進んでいると表明。ただ最終的な取りまとめを望むかどうかはまだ判断していないと述べた。

外為市場におけるボラティリティーはこのところ低下しており、ドイツ銀行外為ボラティリティー指数<.DBCVIX>は5.86と、7月中旬以来の低水準を付けた。ただセレブリアコフ氏は「PMI統計、および通商問題を巡る一連のニュースは、ともに強弱材料がまだ入り混じっている」としている。

英ポンドは0.6%安の1.2836ドル。IHSマークイット/CIPSが発表した11月の英国のPMI速報値は、製造業とサービス部門を合わせた総合PMIが48.5と、10月の50.0から低下し2016年7月以来の低水準となった。