[クリーブランド 21日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のメスター総裁は21日、自身の経済予測の見直しには雇用や個人消費の減速を確認する必要があるという認識を示した。

金融政策は良好と繰り返し表明したほか、今年7月以降の3回の利下げには反対だが、低迷する企業の設備投資や世界経済の減速、通商政策の不確実性へのリスク対応を巡って議論の余地があることは理解しているとした。

総裁は記者団に対し「個人消費への打撃に加え、企業の設備投資の手控えが雇用に悪影響を及ぼす兆候を注視している」と指摘。同時に労働市場や個人消費はこれまで堅調で、今年の経済成長率は引き続き平均で2%程度が見込まれると述べた。

メスター氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。

クリーブランド連銀主催の金融安定に関する会合では、サイバーセキュリティー対策の強化に向け金融機関と規制当局の情報共有を進めると同時に、金融機関のサイバー攻撃に対する耐性を調べるためのストレステスト(健全性審査)を実施する必要があるとの考えを示した。

「こうしたストレステストを通して、データや中核的なシステムの復旧計画のほか、サードパーティーへの依存度などを把握できる」と述べた。

その上で、サイバー攻撃で実際に利用された手口を踏まえ、規制当局は攻撃を受けた金融機関の復旧をシミュレートできると指摘。イングランド銀行(英中央銀行)のモデルを活用し、攻撃を受けた金融機関の事業再開に向けた能力を検証できると述べた。

また、金融機関、政府機関、および規制当局はサイバーセキュリティーリスクを巡る情報を共有し、緊密に連携する必要があるとも指摘。サイバー攻撃の傾向に関する情報を共有する際、攻撃のパターンなどの特定に向け、金融監督当局は大学などと連携すべきとの考えも示した。

*内容を追加しました。