[15日 ロイター] - 米シェール産業は今年に続き、来年も設備投資を絞り込む方針だ。生産量の伸びも大幅に鈍化する見通し。石油・ガスの増産によって価格が下がり、利益が圧迫されていることが背景。

米エネルギー情報局(EIA)は13日公表した月次リポートで、11月の米原油生産が過去最高の日量1300万バレルになると予想するとともに、2019年と2020年の生産量見通しをそれぞれ上方修正した。[nL4N27U132]

シェール油田の開発に伴う生産拡大の一方で、世界的な貿易摩擦への懸念から、米原油先物相場は第3・四半期に7.5%落ち込んだ。

石油輸出国機構(OPEC)のバルキンド事務局長は13日、米国のシェールオイルについて、来年に供給の伸びが鈍化するとの見方を示した。[nL4N27T4N2]

ウッドマッケンジーのアナリスト、アレックス・ビーカー氏は、投資家が要求する利益とフリーキャッシュフローを生み出すには、シェール企業は設備投資をカットするしかないと指摘する。

金融サービス会社コーエンによると、シェール企業は2019年の設備投資額を2018年に比べて約40億ドル減らす計画だ。コーエンが調査している探査・生産企業で既に2020年の設備投資方針を明らかにしている21社のうち、15社が設備投資を減らすと回答した。増やすと答えたのは5社、変わらないとの回答は1社。設備投資額の削減率はこれまでのところ13%となっている。

一方、米国での生産量の伸びは大幅に鈍化することが見込まれている。米エネルギー省のデータによると、2019年の生産量は平均日量1230万バレルで、2018年から同130万バレル増える見通し。同省は2020年の生産の伸びが同100万バレルに鈍化すると見込んでいるが、実際はもっと伸び悩むと予想するアナリストが多い。

IHSマークイットは2020年の米原油生産の伸びをわずか日量44万バレルと予想。2021年の生産は前年比横ばいと見込んでいる。

エネルギー大手オキシデンタル・ペトロリアム<OXY.N>は今月、現金の確保と債務削減のために来年の設備投資額を40%引き下げて約54億ドルとすると発表した。

石油・ガス大手アパッチ<APA.N>は来年の探査・生産のための予算を今年の24億ドルから10─15%削減する計画を明らかにした。