[北京 14日 ロイター] - 中国は2020年初頭から、各省の域内総生産(GDP)の算出方法を統一する。中国国家統計局の寧吉哲局長が声明を発表し、同局が経済指標の改革を主導し、GDPの計算方法を統一する方針を明らかにした。

寧局長は「地方のGDPの算出方法を統一する改革は、データの質や政府の統計の信頼性を向上させるための必要条件だ」と強調した。中国の各省のGDPの合計はこれまで、国家統計局が発表している中国全体のGDPを上回ることが多く、高成長によって評価されることを狙った一部の地方政府の当局者が数字を水増ししているのではないかとの疑惑がくすぶっていた。

中国全体のGDPの数字も幾分かさ上げされていると指摘するエコノミストもいる。キャピタル・エコノミクスのアナリストらは、2019年のGDP伸び率を5.2%と予想。中国政府の予想は6%強だ。

2018年の31の省のGDPを合計した数字と、国家統計局が発表した中国全体のGDPには1兆4400億元(2058億9000万ドル)の開きがあった。ニュージーランド1国のGDPにほぼ匹敵する規模だ。

中国政府はデータのねつ造に対する取り締まりを強化し、国家レベルと地方政府の統計システムの統一に取り組んできた。

国家統計局による改革が今後どのようにGDPの数字に影響するかはまだはっきりしない。同局が前月発表した第3・四半期のGDPは前年比6.0%増と市場予想を下回り、1992年の四半期統計開始以来、最低だった。

14日に発表された10月の鉱工業生産は前年比4.7%増と、伸びが大幅に鈍化し、市場予想を下回った。外需と内需の低迷や米中貿易戦争が依然として重しになっていることが浮き彫りとなった。