[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックス<GS.N>は約2年前、2020年までに年間収入を50億ドル積み増すという目標を掲げた。しかし、来年1月に開催する同社初の投資家デーでは、効率性や収益性の指標を含む広範な経営目標を打ち出す可能性がある。

事情に詳しい4人の関係筋が明らかにした。

同時に、複数の関係筋によると、ゴールドマンの個人向け事業「マーカス」など、範囲を限定した目標も示す可能性があるという。

投資家デーではデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)を含む経営陣が経営目標の説明に当たる見通し。

従来とは異なる経営目標に軸足を移す動きは、ゴールドマンが競合社と同様に広範な目標の達成に向けた進捗状況を開示する必要性を感じるとともに、全事業に関して投資家側の透明性への要求に応じたいという考えがあるからだと関係筋は語る。ただ、投資家デーの計画はまだ策定中で、変更される可能性があるという。

ゴールドマンの株価は昨年3月以来、20%近く下落しており、これに不満を示している株主とのコミュニケーションの見直しも迫られている。

ウェルズ・ファーゴのアナリストのマイク・マヨ氏は「現在の姿勢は『われわれはゴールドマン・サックスだから信用して大丈夫だ。良いリターンを出せる』というものだが、投資家は総じて、それでは成り立たないと訴えている」と指摘。「信頼を高める何かを提供する必要がある。このため、ゴールドマンの内幕が初めて明らかになる」と期待感を示した。

ゴールドマンは従来の増収目標や新たに公表する可能性がある経営目標についてコメントを控えた。

ソロモン氏は5日、ブルームバーグテレビとのインタビューで 「当社は素晴らしい事業を持っており、これをもう少し発展させたい」と述べている。

アナリストによると、50億ドルの増収目標はかつて、ゴールドマンが低迷するトレーディング部門の比重を落として事業を多角化し、成長力を確保できるかどうかを測る指標となっていた。2018年10月にCEOに就任したソロモン氏にとっても当初は重要な指標だった。

同社の幹部らは1年前、50億ドルの目標を前倒しで達成できるとの見通しを示していた。

ソロモン氏は当初、経営戦略のアップデートを2019年春に公表する考えだったが、急がずに正しくやりたいとして、来年1月まで先延ばししている。