[メキシコ市 11日 ロイター] - メキシコ政府は11日、選挙を巡る不正疑惑への抗議デモ拡大と軍の辞任要請を受け、前日に辞任したボリビアのモラレス大統領の亡命を認めた。

メキシコのエブラルド外相は記者団に対し、モラレス氏の命が危険にさらされていると述べ、亡命承認は亡命者を長年受け入れてきたメキシコの伝統の一環だと説明した。

同外相はツイッターで、モラレス氏が既にメキシコ政府の航空機に乗っていると明らかにし、機内で膝の上にメキシコ国旗を広げているモラレス氏を撮影した写真を投稿した。

反米主義の強硬左派で14年間政権の座にあったモラレス氏は10月の大統領選で再選を決めたばかりだったが、選挙を巡る不正疑惑で抗議デモが拡大し、軍も辞任を求めていた。

ボリビアではモラレス氏の辞任後も混乱が続いている。

モラレス氏の辞任を受け、中南米の左派諸国は同氏への支持を相次いで表明していた。メキシコは今回、モラレス氏の亡命を受け入れることで、中南米における左派指導者の支援拠点としての地位を固めつつある。

エブラルド外相は、メキシコ政府は10日のボリビアでの出来事は軍が憲法に違反して大統領に辞任を求めた「クーデター」とみなしていると述べた。

米政府高官は匿名を条件に、モラレス氏がボリビアを去ることが同国の安定につながることへの期待を示し、メキシコ政府が同氏の亡命を受け入れることにトランプ政権は反対しないと語った。

ただ、実際に同国が安定するかどうかを見極めるには時間がかかり、モラレス氏がメキシコに亡命した後、ボリビアにいる自身の支持者らにどのようなメッセージを送るかに大きく左右されるとの見解を示した。

*内容を追加しました。