[11日 ロイター] - 米アルファベット傘下のグーグル<GOOGL.O>は、ヘルスケアに関する情報のクラウドコンピューティングで米医療サービス会社アセンションと提携する。アセンションが11日発表した。

アセンションはグーグルのクラウド事業では医療部門で最大の顧客となる。

米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は先に、グーグルがアセンションと組み、米21州で多数の米国人の医療に関する個人情報の収集に乗り出すと報じていた。

アセンションの声明によると、グーグルとの提携では患者の安全性向上と治療効率改善のため、人工知能(AI)や機械学習の活用も検討する。グーグルとしては、高収益の可能性を秘めたAIツールの強化に役立つ可能性がある。

グーグル・クラウドのトーマス・クリアン最高経営責任者(CEO)は就任1年目の優先事項として、ヘルスケア部門を含む6業種の最大手級企業からのビジネス獲得を挙げていた。

グーグルはここ数年、MRI(磁気共鳴画像)装置などから患者の個人情報を自動的に分析するためのAI開発を進めてきた。

アセンションは米国内で150件の病院と50件余りの高齢者向け施設を運営している。

グーグルは11日、ブログで「(患者のデータを)グーグルの消費者データと統合することは不可能であり、統合はしない」と表明。

グーグル・クラウドの幹部は 「(アセンションは)データの管理者であり、当社はアセンションに代わってサービスを提供する」と説明した。

アセンションは声明で、今回の提携が、医療情報を保護する「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)」を順守していると表明した。

*内容を追加しました。