[ロンドン 11日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した第3・四半期(7ー9月)の国内総生産(GDP)伸び率は、景気後退(リセッション)を示す2期連続のマイナス成長こそ逃れたものの、前年比の伸びはプラス1.0%にとどまり、2010年第1・四半期以降で最低となった。世界経済の低迷や英国の欧州連合(EU)離脱に対する懸念で設備投資や製造業が打撃を受けた。

ロイターがまとめた市場予想は1.1%、第2・四半期は1.3%だった。

第3・四半期のGDP伸び率は前期比でプラス0.3%。民間エコノミストと中銀の予想はともに同0.4%だった。第2・四半期は、当初の離脱期限だった3月末に向けた在庫積み増しの反動で、前期比ベースでマイナス成長を記録していた。[nL4N2552UD]

設備投資は前期比横ばい。エコノミスト予想は0.5%減だった。家計支出は0.4%増、政府支出は0.3%増だった。

EUからの強硬離脱を巡る懸念が響き、8・9月の生産は減少した。市場では、政治に対する不透明感やさえない世界経済を背景に、中銀は来年利下げを迫られる可能性があるとみられている。

あるエコノミストは「かろうじて景気後退を回避したからといって喜んではいられない。英経済は今年に入り停止と起動を繰り返しており、離脱期限の変遷に成長が振り回されている」と指摘した。

英中銀は先週、今年の成長率予想を当初の1.3%から1.4%に小幅ながら引き上げた。仮に1.4%となった場合、昨年の成長率と並び、金融危機以降で最低の伸びにとどまる。

*内容を追加しました。