[クアラルンプール 8日 ロイター] - マレーシア中央銀行は8日、法定預金準備率(SRR)を3.50%から3.00%に引き下げると発表した。引き下げは3年ぶり。11月16日から実施する。同中銀は5日に政策金利を予想通り3.00%に据え置いたばかりで、SRRの引き下げは予想外だった。

複数のエコノミストは、今回の動きは今年下半期にマレーシア経済が減速していることを示唆していると指摘。来年1月後半に開かれる中銀の次回金融政策決定会合で金利が引き下げられる地ならしだと付け加えた。

同中銀は声明で「国内の金融システムにおいて十分は流動性を維持するため、SRRを引き下げる決定を行った」と説明。「この措置が引き続き国内金融市場の効率的な機能を支援し、金融機関による効果的な流動性管理にも役立つ」とした。

マレーシア貿易産業省が4日に発表した9月の輸出は、前年同月比6.8%減少し、2016年10月以来、約3年ぶりの大幅な落ち込みとなった。主要輸出先の需要が軟調だった。

エコノミストらはSRR引き下げについて、銀行間貸出金利を押し下げ、融資の伸びを押し上げると指摘。前回2016年1月にSRRが引き下げられた際には60億リンギ(14億5000万ドル)が金融システムに追加で供給されたと推定している。

INGアジアのエコノミスト、Prakash Sakpal氏は「中銀が今週の政策声明文で示唆していた内容を考慮すると全く想定外の動きだった。声明文はリスクに関するトーンがかなりバランスの取れたものとなっていた。われわれは年末に向けて経済成長率の鈍化が続くとみている。今年については中銀の予想である4.3─4.8%から外れないだろうが、下降トレンドは間違いなく中銀に金利引き下げを強いるだろう」と述べた。

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