[上海 7日 ロイター] - 中国の科学技術省が発行する科学技術日報は7日、中国が次々世代通信技術「6G」の開発に向けた調査研究を公式に開始したと報じた。

関係する省や研究機関が今週、6G技術を調査・開発する国家レベルの団体を立ち上げるための初回会合を開いたという。

超高速大容量の通信技術は、米中が覇権争いを繰り広げている分野のひとつだ。

米中だけでなく世界中の国々が、自動運転や拡張現実(AR)システムの核となる第5世代(5G)通信サービスの開発でしのぎを削っている。

ロイターは今年4月、韓国が世界初の商業用5Gを米中に先駆けて開始したとする韓国当局の話を伝えた。韓国の主張は、5G対応のスマートフォン(スマホ)に同通信サービスが実際につながったことに基づいているが、米通信大手AT&T<T.N>やベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>は、韓国の「一番乗り」という主張に猛反発し、それぞれ自社が世界初だと主張した。

開発競争は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]も巻き込んだ。

米商務省は今年5月、輸出管理法に基づき安保上の懸念がある企業を列挙した「エンティティー・リスト」にファーウェイを追加。同盟国に対してもそれぞれの国の5Gネットワークから同社を排除するよう働きかけた。

トランプ大統領は今年2月、米国で1日も早く6G技術を実現させたいとツイッターに投稿し、米国企業に対してもっと努力しなければ取り残されると警告した。

一方、中国移動通信(チャイナモバイル)など中国の携帯電話大手3社は10月31日、5G移動通信システムの消費者向けサービスを11月1日から正式に開始すると発表した。