田代まさし容疑者逮捕 覚醒剤所持の疑い
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注目のコメント
覚せい剤事案における再犯率は極めて高く,直近においても65%前後を推移しています(要するに,再犯しない人の方がかなり少ない)。
私も,年に1回あるかないかレベルで覚せい剤取締法違反の国選弁護をしているのですが,有名人や反社会的団体の関係者だけでなく,一般市民が覚せい剤に手を出してしまったケースも珍しくはないです。
都市部に限った話でもなくて,地方でも,覚せい剤に手を出してしまう方はおります。
(「パパ活」の記事でコメントしましたが,「出会い系サイトで知り合った方から覚せい剤を勧められて,その後仲良く警察に捕まったというケース」も,私が直接関わったものだけで数件あります)
反社会的団体が「元締め」にいる以上,最終消費者だけを捕まえても,薬物事犯が根絶することは絶対レベルであり得ないと感じています。
振り込め詐欺で,「受け子(実際に被害者宅に伺って集金する役割の人)」だけ捕まえてもなかなか被害件数が減らないことと,ある意味で問題の構造は同じです。
こんなことを言ってしまうと,プライバシー侵害を容認するのかと立腹する同業者の方もいそうな気がしますが,薬物事犯や振り込め詐欺を有意に減少させるためには,通信傍受を有効活用して,今以上に,川下から川上(元締めや供給源)に繋がるネットワークを辿っていく必要があると思います(※)。
※ 通信傍受は,人権への配慮もあって慎重な運用がなされており,薬物事犯の捜査で通信傍受が利用されたケースは,平均して年に10件もありません(検挙される方は,年に1万人以上います)。
捜査機関が通信傍受を濫用する危険性を全く否定するわけではありませんが,他方で,通信傍受をかなり控えめに利用することが,末端や最終消費者などの「どちらかといえば弱者」ばかりが逮捕されていることとトレードオフになってしまっている気もします。正直、「またか」と思ってしまいました。
一度味わってしまうとよほど意志が固くないと止められないのでしょうね。
今年の春頃に、女子中学生が覚醒剤を所持していたことがニュースになりましたが、比較的簡単に入手できてしまうことも問題なような気がします。
田代まさし氏のニュースはミニにタコができました。