[東京 6日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>は6日、2020年3月期連結業績(国際会計基準)の利益予想を下方修正した。営業利益は前年比21%増の2200億円となる見通し。従来予想の2600億円から400億円引き下げた。品質関連費用の増加、想定為替レートの円高方向への見直し、台風19号による操業停止の影響を織り込んだ。

19年7―9月期の営業利益は約26億円にとどまった。中村知美社長は会見で、国内外で8月から10月にかけて乗員検知システムの不具合などリコール(回収・無償修理)が非常に多く、7―9月期に市場措置費用が「約650億円まで増加したことが主な原因」と説明した。

想定為替レートは1ドル=110円から107円に、1ユーロ=120円から119円に見直した。純利益も従来の2100億円から1630億円に下方修正した。

一方、売上高予想は従来の3兆3100億円、世界販売計画も従来の105万8300台を据え置いた。中村社長は「販売台数は着実に伸びているし、スバルに対するお客様の支持、販売モメンタムはしっかりと維持できている」と述べた。

台風19号の影響で取引先の工場が水没したことなどにより、国内唯一の四輪生産拠点である群馬製作所の操業が4.5日間停止。停止によって1万台以上の生産に影響が及んだが、中村社長は「通期でみれば挽回できる」との見通しを示した。

完成検査問題後に品質重視の点から生産ペースを落としていたが、「当初計画よりも早めの9月半ばからピッチを戻しており、通常生産に戻した貯金がある。通期では吸収できる」(中村社長)と述べた。

*内容を追加しました。

(白木真紀)