[香港 6日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)デジタル通貨研究所の穆長春所長は6日、同国のデジタル通貨発行計画について、商業銀行を含む金融機関が新しい通貨を使った最良のサービス提供を目指し、激しい競争を繰り広げるだろうと予想した。

香港で開いたフォーラムで述べた。

同氏によると、人民銀が先ず、商業銀行などの金融機関に対してデジタル通貨を発行し、これらの金融機関が一般市民に流通させるという2段階のアプローチになる見通し。

同氏は「研究期間および通貨発行時には、選抜方式が取られる」とし、合理的に最良のサービスを提供できる「先行者が全市場を牛耳ることになる」と述べた。

穆氏はまた、人民銀は技術に関して「中立的」な立場だが、先行者が他をリードするような状況では、「先行者の技術を他の当事者も採用することになるだろう」とした。

人民銀が計画するデジタル通貨電子決済(DCEP)は既存の硬貨や紙幣に代替する存在となるため、所有者が金利を受け取ることはないと説明。このため、インフレ率や金融政策への影響はないとの認識を示した。

穆氏は、米フェイスブック<FB.O>が導入を計画しているデジタル通貨「リブラ」に関し、資本管理策を持つ国家にとっては、「その通貨主権に対する明確な脅威になる」との懸念をあらためて示した。

また、他のステーブルコイン(法定通貨などを裏付け資産とするデジタル通貨)も、中国で受け入れられるには、同国の外為規制を全て順守する必要があると指摘した。

*内容を追加しました。