[シドニー 4日 ロイター] - 7─9月のオーストラリアの小売売上高は予想外のマイナスとなり、9月は予想を下回る伸びにとどまった。減速する経済をてこ入れするために、さらなる刺激策が必要なことを示した。

オーストラリア連邦統計局によると、9月の小売売上高は前月比0.2%増。8月(0.4%増)から減速し、アナリストの予想(0.5%増)も下回った。

7─9月はインフレ調整後で0.1%減少。アナリストの予想は0.2%増だった。

四半期の売上高はこれで4四半期中3四半期が減少。前年比では0.2%減少となり、1990年代初めのリセッション時並みの落ち込みとなった。

また、オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀行<ANZ.AX>が発表した新聞とインターネットによる求人広告件数も、10月は季節調整済みの前月比1%減少し、約2年半ぶりの低水準となった。

弱いデータを受けて豪ドル<AUD=D3>は下落した。

キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、マーセル・ティーリアント氏は「第3・四半期の実質小売売上高の減少は、豪準備銀行(RBA、中央銀行)のさらなる対応が必要なことを裏付けた」と述べた。

RBAは前月、今年3回目の利下げを実施した。あす5日は、0.75%で据え置き、緩和効果が出るのを待つと予想されている。

金融先物<0#YIB:>は、来年初めに0.5%に下がる可能性を60%織り込んでいる。

一部エコノミストは、中銀が量的緩和(QE)に踏み切ると予想。シティのエコノミスト、ジョシュ・ウィリアムソン氏は前週、早ければ2020年2月にも何らかの形のQEに踏み切るとの見方を示している。