[チューリヒ 31日 ロイター] - スイス国立銀行(SNB、中央銀行)<SNBN.S>は31日、第3・四半期の利益は130億スイスフラン(131億7000万ドル)と発表した。世界的な金融緩和で株式ポートフォリオが押し上げられ、政治的リスクで金価格が上昇したことが背景。

為替ポジションの利益は89億8000万フラン。スイスフラン高抑制で購入した株と債券の評価益や配当の拡大を反映した。

金保有による利益は35億フラン。

SNBは過去数カ月、対ユーロで2年ぶり高値を付けたスイスフラン高抑制のため、外貨購入を増やしている。

9月末時点の外貨投資額は、前年比340億フラン増の7980億フラン。

クレディスイスのエコノミスト、マキシム・ボッテーロン氏は「株や債券の相場上昇で利益を得たが、フランの対ユーロでの上昇は対ドルでの下落で相殺されている」と指摘した。

世界の約1700銘柄で構成されるMSCIワールド指数は、米FRBと欧州中央銀行による金融緩和を受け、今年約19%上昇した。

スイスフラン保有による利益は5億9800万フランで、商業銀行に課しているマイナス金利が寄与した。