年収マウンティングは、もうやめませんか
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今のマーケット環境と税制でしたら、エクイティで報酬をもらう方が合理的です(なお、後述の通り、エクイティの価値 = 株価 = 利益 x マルチプルが高い場合にはお得ということなので、エクイティでの報酬が合理的かどうかはマーケット環境次第です。マーケット環境が悪ければ、確定債権的な性格を持つ給与の方がお得なことがあります)。
理由は:
① エクイティの価値、すなわち株価には、「過去に積み上げた利益剰余金」と、そしてより重要なのは「企業が将来獲得できると(市場が)見込まれる利益の総額(正確には割引現在価値)」の両者が織り込まれます。特にP/EやP/Bのマルチプルが高い会社は、将来の利益が多く株価に算入されています。
雇われの役職員が、自分が働いている期間かどうかも分からない将来利益にアクセスできるのは、良い話です。
⇔ 一方のサラリーは、基本的には調達した資本かフローで獲得した売上高が支払いの源泉です。爆発力はありません。労働者は債権者的な性格を有していますので、支払順位はシニアで安定感があります。
② 日本の限界税率は高く、給料やボーナスは最大55%の税率がかかります。個人は、多くの場合、税制適格SOのような分離課税(キャピタルゲインの20%程度の税率)の世界に入らないと資産形成を行えません。
企業の側から見ると、分離課税を組み込んだ報酬設計を用意できれば、会社によるタレント経営者の獲得・維持効果は高いです。会社は、税金を考慮した上でのよく練った設計を行いたいものです。
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なお、近年スタートアップに人材が流入しているのは、上記のメカニズムの通りエクイティでの報酬が手厚いからなのだと思います。細かいツッコミが色々入りそうですが、Coralの西村が報酬文化についてブログを書きました。
たぶんより実態に即すと、
・〜ミドルくらいまでのスタートアップ: エクイティ(キャピタルゲイン)文化
・レイター以降のスタートアップや外資系企業: ボーナス(RSU含む)文化
・日本企業: サラリー文化
という印象があります。最近は日本でもサラリーだけじゃ無理があるので投資を、という流れが高まってますが、その結果うさんくさい情弱ビジネスがどんどん増えているのもまた皮肉。とにもかくも、「エクイティ」というものに対するリテラシーを高めることが最重要だなと感じています。ハイリスクハイリターン(億万長者もいれば借金王もいる)
ローリスクローリターン(億万長者になれないが借金王にもなりにくい)
ただ楽しい人生かどうかは直接関係ないと思います。