[フランクフルト 25日 ロイター] - ドイツ銀行<DBKGn.DE>の主要株主であるカタール王室が、同銀行のアハライトナー会長の早期退任を求めている。長引く株価低迷への不満に加えて、監査役会メンバーの人事を巡る問題が原因という。事情に詳しい大株主や銀行関係者など10人の話で明らかになった。

王室が経営を掌握するパラマウント・サービシズ・ホールディングスとスプリーム・ユニバーサル・ホールディングスを合わせるとドイツ銀株の保有率を10%近くとなり、筆頭株主となる。

関係筋によると、カタール王室のサーニー家の代表はドイツ銀の経営陣や主要株主に対し、アハライトナー会長が早期に退任を発表すべきだと主張。

アハライトナー会長の任期は2022年まで。同氏は後任を探していると説明しているが、関係筋からは、数カ月後に退任する見通しや、遅くとも来年5月の株主総会までに退任するとの見方が示された。

今回の動きは、カタール王室のアハライトナー会長に対する苛立ちの強さを示す。

2016年、アハライトナー会長が業績不振で批判を受けている時、パラマウントはアハライトナー氏を支持する異例の声明を発表した。

しかし、それ以降、関係を悪化した。

アハライトナー会長は8月、カタール王室の意向を受けて、元UBS幹部を監査役会メンバーに指名。しかし、この幹部がプライベートバンクのトップだったことから、利益相反問題が指摘され、ドイツ連邦金融監督庁と欧州中央銀行(ECB)は今月、この人事を阻止した。

関係筋によると、この人事の失敗で、カタール王室の苛立ちが沸点に達したという。

ドイツ銀、アハライトナー会長はコメントを差し控えた。カタール王室のドイツ銀への投資を管理する機関のトップもコメントを差し控えた。