[ロンドン 24日 ロイター] - IHSマークイットが発表した10月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.2で、6年超ぶり低水準だった前月の50.1は上回ったものの、引き続き景況拡大と悪化の分かれ目となる50に非常に近い水準となった。需要が減少したことが背景。

ロイターがまとめた予想は50.3だった。

IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済は、景気停滞に近い状態で第4・四半期をスタートした。PMI速報値は四半期の経済成長率が0.1%をわずかに下回る水準となる可能性を示している」と指摘。

また今回の統計は、国内総生産(GDP)がほとんど伸びず、雇用の伸びが鈍化し、価格が低迷し悲観的な見通しが強まる中で欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の任期が終わることを示唆している、と述べた。同総裁は今月末に退任する。

サービス部門PMIは51.8と、今年最も低い水準だった前月の51.6から上昇。ただエコノミスト予想(51.9)は下回った。

サービス企業の楽観度は2013年半ば以来の低水準に落ち込んだ。事業見通しを示す指数は56.5と、前月の58.6から低下。

製造業PMIは45.7と、前月から横ばい。これは7年ぶり低水準となる。9カ月連続で50の水準を下回った。予想中央値は46.0だった。

製造業の生産を示す指数は46.2。前月の46.1から若干上昇したものの、9カ月連続で50を下回った。

INGのBert Colijn氏は「まだ回復は見られない。10月のPMIはやや改善したが、経済成長がほぼ停滞しているという事実を覆い隠すことはできない。景気は弱いというのが全体像だ」と述べた。

ドイツの製造業PMIは引き続き50を下回ったが、フランスのPMIはサービス業を中心に予想以上に回復した。[nL3N2792DQ][nL3N27925Y]

キャピタル・エコノミクスのJessica Hinds氏は「独仏のかい離が続いている」と指摘。「ECBでは、追加の政策行動を主張するハト派の説得力が増すだろう」との見方を示した。

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