[ワシントン 18日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は18日、加盟189国がIMFの総融資能力を1兆ドルで維持する方針を決めた。一方、加盟各国の出資比率見直しを伴う増資については、2023年12月まで先送りすることで合意した。

増資が実現すれば、経済規模が拡大している中国や新興国の出資比率が上昇し、それに伴い発言権も拡大することから、出資比率1位の米国が反対した。

ゲオルギエワIMF専務理事は、融資能力を巡る今回の決定について、景気減速に対処する加盟国にIMFが十分な支援を実施できるという信頼感を与えると述べた。

IMFは、危機時の融資資金を現在の2倍の約5000億ドルにし、2008─09年の金融危機時の規模に戻す。二国間融資を縮小することで、IMFの全体の資金規模は変わらない。

ただ、このNAB(新規借入取り決め)という制度下で米国は約380億ドルと、2倍の額を拠出することになる。これは米議会の承認が必要。

ムニューシン財務長官は声明を発表し「われわれは今後も、IMFが現在のリソースを維持する取り組みを支持する。これによりIMFは、中期的に起こり得る危機に十分に対応できる」と評価した。

ムニューシン氏は4月に「IMFには、その使命を果たすための十分なリソースがある」として、IMFの全体の資金を拡大し、加盟国からの出資(クオータ)を変更することに反対する姿勢を示していた。

NABは1998年に導入されたが、10年前の金融危機時には10倍に拡大した。現在の借り入れは2022年に失効する。

2国間融資は約4400億ドルで、2019年末に失効する。これらは、各国政府が今回の変更を国内で承認できるよう1年間延長される。

*内容を追加しました。