[ワシントン 17日 ロイター] - 中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行は17日、米中貿易摩擦が長期化すれば、中国への輸出に依存するアジア諸国に打撃となるほか、債務の持続可能性にも影響すると指摘した。

AIIBの金立群総裁はワシントンで開かれたセミナーで、貿易摩擦で中国経済の成長が阻害されれば、対中貿易で黒字を出している一部アジア諸国の輸出に悪影響が出る恐れがあるとした。

また、輸出による収入をインフラ計画や債務返済の財源とするこうした国々にとっては、債務の持続可能性にも直接的な影響が及ぶと指摘。「われわれは部分的ではなく完全な解決策を求めている」と述べた。

トランプ米大統領は11日、米中が「第1段階」の通商合意に達したと発表し、前日から2日間の日程で行われていた両国の閣僚級通商協議が部分合意に達したことを明らかにした。

また金総裁は、AIIBが他の国際金融機関の価値を低下させているわけではないと主張。世界銀行がカバーする貧困撲滅などではなく、インフラ投資の支援に注力していると述べた。また、気候変動への取り組みもAIIBのミッションに非常に重要との認識を示した。