[15日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックス・グループ<GS.N>が15日発表した第3・四半期決算は、利益が市場予想を下回った。世界経済成長を巡る懸念からM&A(合併・買収)案件などが低調だったほか、新規株式公開(IPO)計画を撤回した共用オフィス「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーへの投資などでつまづいたことが業績を圧迫した。

普通株主帰属の純利益は前年同期比27%減の17億9000万ドル。1株当たり利益は4.79ドルと、前年同期の6.28ドルから減少し、市場予想の4.81ドルを下回った。

純収入も6%減の83億2000万ドル。ただ、予想の83億1000万ドルは上回った。

主要4部門中3部門が減収。投資銀行部門は助言手数料や引受手数料の減少が響き、15%の減収となった。

投資・融資部門の収入は40%減の6億6200万ドル。アナリストは、ゴールドマンがウィーカンパニーへの投資に絡み同四半期に2億5000万ドル超の損失を計上すると予想していた。

一方、トレーディングを含む機関投資家向け部門は6%の増収。債券トレーディング収入は8%増、株式トレーディング収入も5%増加した。

ゴールドマンはアップルと連携しクレジットカード事業を立ち上げるなど新規ビジネスの開拓に取り組んでいるものの、業績押し上げにはなお時間がかかる見通し。

KBWのアナリストは顧客向けノートで「ゴールドマンの決算は強弱まちまち」と指摘。収入は予想を上回ったものの、比較的不安定とされるトレーディング収入の伸びが主導したほか、投資銀行部門の業績は低調だったと述べた。

決算を受け、ゴールドマンの株価は一時約2%下落した。