[ニューヨーク 11日 ロイター] - 今週の米株式市場では、第3・四半期決算を発表する銀行最大手に関心が集まる見通し。金利の低下を背景にした純金利マージンの縮小により1株利益が3年ぶりに前年比で減少する可能性がある。

堅調な住宅ローン業務や株価の値ごろ感がS&P500金融指数<.SPXBK>を下支えする可能性もあるが、信用状況や融資の伸びの見通し、預金コストの削減などについて各行の経営陣が投資家に安心感を与えることができるかどうかが株価動向の鍵となる。

決算発表はシティグループ<C.N>、ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)<WFC.N>、JPモルガン・チェース<JPM.N>、ゴールドマン・サックス<GS.N>が15日、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>が16日となる。

リフィニティブのアナリストがまとめたデータによると、米銀最大手の第3・四半期決算は0.9%増収、1.2%減益と予想されている。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ (KBW)のリサーチディレクター、フレッド・キャノン氏は、第3・四半期中に米2年債と10年債のイールドカーブがフラット化し、一時は逆転も見られたことに言及し、「純金利の状況を踏まえると、全体としてかなり厳しい四半期になりそうだ」と述べた。

シティ、Wファーゴ、JPモルガンの幹部はいずれも9月、マクロ経済面の懸念を理由に、通年の純金利収入の見通しを下方修正した。

マニュライフ・インベストメント・マネジメントのリサ・ウェルチ氏は、今週の決算発表で投資家が注目するのは、純金利マージンの見通しや景気減速への対応策に関する各行幹部の発言だと指摘する。

アバディーン・スタンダード・インベストメントの投資マネジャー、マイク・クローニン氏は、米景気減速が債務返済状況に影響しているかどうかを示す兆候にも投資家は敏感になるとした。