[メルボルン 10日 ロイター] - 世界4位の鉄鉱石大手、豪フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)<FMG.AX>のゲインズ最高経営責任者(CEO)は10日、鉄鋼需要の堅調な伸びを背景に、中国が将来的な資源確保でオーストラリアなど現在の供給国以外に目を向けていると警戒感を示した。

当地で行われた業界会合で、米中貿易戦争の激化や世界経済の鈍化といった要因があるものの、中国は鉄鋼使用のピークに達しておらず、今年の需要も堅調との認識を示した。

ゲインズCEOは「成長が鈍化する、もしくは中国が供給確保のための市場開拓を止めると考える向きは、重要な要素を過小評価してしまう恐れがある」と指摘。その上で、中国の都市化が続いていると強調した。

ゲインズ氏によると、先進国では都市化率が70%を大きく上回った時点で、鉄鋼使用はピークに達した。中国の都市化率は昨年、60%近くだったという。

また同氏は、「年初なら中国の鉄鋼需要の伸び率は2─4%と答えただろう。だが実際は通年で7─8%になるとみている」と述べた。

フォーテスキューはアフリカ西部ギニアの大規模鉄鉱石鉱床「シマンドゥ」で、2鉱区の開発権に入札したことを明らかにしている。ゲインズ氏は「シマンドゥには高品質な鉄鉱石が眠っている。どこにあるのか把握しておくことが重要だ」と語った。