[10日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は10日、連邦準備理事会(FRB)が一段の利下げを実施する必要があるか見極めるために米国債の利回り曲線の動向を注視していると述べた。

カプラン総裁は論文で、消費支出が弱含むまで利下げを控えることは「誤り」であるとの考えを改めて強調しながらも、FRBが今年に入りすでに2回の利下げを実施したことを踏まえ「経済動向を慎重に見極める」との考えも示した。

同総裁は、過度な利下げを実施すれば不均衡などが助長すると警告。通商を巡る緊張の高まりは世界的な経済成長や米国の製造業部門の重しとなっているが、通商問題による影響が緩和すれば、米経済に対する下方リスクも軽減するとの考えを示した。

その上で「硬直した考えや先入観を持つことは避けたいと考えている。フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標に関して一段の措置が必要かどうか極めて慎重に注視し、先入観を持たずに臨みたい」と述べた。

一部で長短金利の逆転が見られている米国債利回りについては、「利回りの動きは経済の弱含みが米経済の広範な分野に波及しているとの懸念を反映している」と述べた。

FRBは29─30日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。カプラン総裁は今年のFOMCで投票権は持っていない。