[ルクセンブルク 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)は10日に開いた財務相理事会で、ユーロ圏共通予算の導入で合意した。規模は約170億ユーロと、マクロン仏大統領が提案した規模を大幅に下回るが、ユーロ圏債務危機を経て統合深化の度合いを巡る加盟国間の見解の相違が鮮明になる中、2年間にわたる討議がようやく収束した。

ユーロ加盟19カ国に適用される初めての共通予算の期間は7年。2021年に導入される期間7年のEU全体予算から拠出される。

マクロン大統領の提案に反し、ユーロ圏共通予算は投資と改革の促進のみに利用され、経済の安定化には利用されないが、フランスと同国に同調する加盟国の提唱に基づき、加盟国間の合意で将来的に予算を拡大させる道筋も残された。詳細については21年までに策定する。

このほか、予算の80%については人口と国内総生産(GDP)に基づき各国に配分されることも決定。残りの20%は、加盟各国が独自に抱える問題への対処に向け、改革と投資の支援に振り向けることが可能になる。

マクロン大統領は数1000億ユーロ規模の予算編成を提案したほか、危機に見舞われた際にユーロ圏の安定化に振り向ける財源確保に向け、共通予算に特別の税収を割り当てることを提案していた。こうした考えに対し、金融政策を補完するための財政出動を呼び掛けている欧州中央銀行(ECB)は支持を示していたが、モラルハザードなどを懸念するオランダやドイツなどが難色を示していた。

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