[東京 10日 ロイター] - 10日の東京株式場で旭化成<3407.T>は3.89%高で寄り付いた。スウェーデンの王立科学アカデミーが9日、2019年のノーベル化学賞を、同社名誉フェローの吉野彰氏ら3人に授与すると発表したことが材料視されている。スマートフォンなどに使用されているリチウムイオン電池を開発したことが評価された。

リチウムイオン電池は正極材、負極材、電解液、セパレータなどで構成され、日本には多数の関連企業がある。正極材を手がける田中化学研究所<4080.T>のほか、電解質の関東電化工業<4047.T>、ステラ ケミファ<4109.T>、セパレータを手がけるニッポン高度紙工業<3891.T>などが物色されている。

市場からは「ご祝儀的に買われているが、すでにリチウムイオン電池は広く普及しており、関連企業の業績を著しく伸ばすものでもない。反応は短期的だろう」(国内証券)との声が出ていた。

10日午前の日経平均は軟調。前営業日比11銭安の2万1456円27銭と、小幅続落で寄り付いた、早朝、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが、米中の次官級通商協議で進展は得られなかったと報じ、嫌気された。

*内容を追加しました。