[リヤド/ドバイ 8日 ロイター] - サウジアラビア通貨庁(SAMA、中央銀行に相当)は、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)をにらみ、国内銀行のアラムコ向けの与信状況を点検している。IPOに参加すると予想される多くの国内投資家に各銀行が購入資金を融資する能力を見極める狙いだ。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

SAMAは先週、銀行に接触してアラムコへの与信規模について一連の質問を行った、と2人の関係者は話した。

アラムコが株式を売り出せば、サウジの投資家が大口の買い手になる見通し。その一因として、先月の石油施設への攻撃で原油生産が一時減少し、防空態勢の不備が指摘されるなど同国が逆風に見舞われる中で、「愛国的」な動機が株式取得を促すとみられることが挙げられる。

関係者の1人によると、SAMAは国内銀行がIPOに関連した借り入れ需要に対応できるかどうか判断しているところだ。

アラムコのIPOには600万─700万の国内投資家が参加すると予想されているが、そのうちどれだけが資金を借り入れて株式を購入するかはまだ分かっていない。