[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)の財務相は、10月17─18日にワシントンで開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、米フェイスブック<FB.O>が発行を目指す「リブラ」など、「ステーブル(安定)コイン」への世界的な規制を呼びかける。EUの関連資料で明らかになった。

さらに、2020年にデジタル企業の税制改革を行うことが重要だとし、さらに世界経済をリスクにさらす貿易摩擦への緊急対応を訴える。

ステーブルコインは、預金や短期国債、金などの資産を裏付けにするため、ビットコインのような暗号資産(仮想通貨)とは異なり、価値が安定しやすいとみられている。フェイスブックのリブラはその代表格。

EU財務相はG20で、ステーブルコインの最近の動きや多面的な規制および監督に関する課題を踏まえると、世界レベルでの協力と歩調を合わせた取り組みが必要だと説明する。

フランスとドイツは、フェイスブックのリブラがEU加盟国の主権を脅かすとして反対する姿勢を示している。

欧州中央銀行(ECB)も厳格な監視体制が必要だと主張。EU当局者によると、G20の場で報告書を提出する計画。

EU財務相はまた、貿易摩擦が世界経済への足かせとなっているとの懸念を再度表明する。

関連資料によると「現在の貿易摩擦は大きな懸念事項で、世界経済をリスクにさらしている」と指摘する。米国は先週、航空機大手エアバスへの補助金を巡り、EUへの報復関税を決定し、米国とEUの対立が一気に高まったが、関連資料はその前に作成された。

EU財務相は、2020年にデジタル企業の税制を抜本的に改革する必要があると再度主張する。EUの欧州委員会は単独でも改革を断行する方針を示している。