[イスタンブール 6日 ロイター] - 米ホワイトハウスの報道官は6日、トルコが長く計画してきたシリア北部で「安全地帯」を設置する軍事作戦を近く行うとした上で、米軍は関与も支援もしないと表明した。

ホワイトハウス報道官の声明文は、「ISIS(イラク・シリア・イスラム国)の『カリフ制国家』を壊滅させた米軍は、近接地域にはもはや展開しない」と表明。過去2年間に拘束した域内のすべてのISIS戦闘員については、今後はトルコが責任を持つことになるとした。

これに先立ち、トルコのエルドアン大統領とトランプ米大統領は、シリアのユーフラテス川東岸に「安全地帯」を設置するトルコの計画について電話会談を行った。

エルドアン大統領の報道官はツイッターで、「安全地帯」の設置は、シリアの領土保全の枠組み内で計画されていると説明。「安全地帯には2つの目的がある。1つはテロリストを排除し国境の安全を確保することで、もう1つは安全な方法で難民の帰国を達成することだ」と明らかにした。

トルコは最大200万人のシリア難民を安全地帯に移したい考え。現在トルコに滞在するシリア難民は360万人に上る。

この発表後、トルコリラ<TRYTOM=D3>は1ドル=5.7150リラと、4日終値の5.70リラから下落して取引されている。

トルコ大統領府によると、エルドアン大統領とトランプ大統領は、来月ワシントンで会談することに合意。会談は、トランプ氏側からの招待で決まったという。

電話会談でエルドアン氏は米国の軍と安全保障当局者らが計画の実行を怠っていることへの不満を表明。安全地帯からクルド人の民兵組織、人民防衛部隊(YPG)による脅威を排除する必要性も重ねて主張した。

※内容を追加しました。