[ザ・ウッドランズ(米テキサス州) 3日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は3日、連邦準備理事会(FRB)が今年これまでに実施した2回の利下げが十分であるかは時間が経たなければ分からないが、「必要に応じて」一段の措置を講じることに異論はないとの立場を示した。

カプラン総裁は記者団に対し「世界的な経済成長のほか、製造業や企業投資の弱体化が経済の他の部分に波及するまで待ち、脆弱性が顕在化するのを見極めた場合、待ち過ぎとなる可能性がある」と指摘。

FRBが7月と9月に決定した利下げで急激な景気減速の可能性は低下したとしながらも、可能性が完全になくなったわけではないとし、「必要ならフェデラル・ファンド(FF)金利(の誘導目標)をさらに調整することは厭わない」と述べた。

その上で、リスクマネジメントの観点から必要に応じて早い時期に行動を起こすことを選ぶとの立場を示した。

このほか、非製造業部門の動向を「極めて慎重に」見守っていると表明。多くの企業から、通商を巡る先行き不透明性が強いために決定などを先送りしているとの声を聞いていると述べた。ただ単月の経済指標に対し過度に反応すべきではないとの考えも示した。

米供給管理協会(ISM)がこの日発表した9月の非製造業総合指数(NMI)は52.6と、2016年8月以来の低水準となった。関税措置を巡る懸念が高まる中、通商問題の影響が経済の広範な分野に波及している可能性が示唆された。

CMEグループのフェドウオッチによると、ISMの非製造業総合指数を受け、金利先物市場が織り込む10月29─30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げ確率は92.5%と、前日の77%から上昇した。

カプラン総裁はまた、欧州中央銀行(ECB)が導入しているマイナス金利政策を踏まえると、金融政策には限界があるとの考えも表明。金利を長過ぎる期間にわたり低過ぎる水準にとどめると、リスクテイクや企業による借り入れが助長され、景気後退に陥った際は後退が一段と急激になる恐れがあるとの見方を示した。

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