日米貿易協定を「ウィンウィン」と呼ぶ日本の敗北主義 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
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注目のコメント
通信、半導体、 OSの次は、デジタルコンテンツやソフトウェアを売り渡した訳ですね
デジタル分野では、アメリカに常に敗北です
これを良しとする経産省や総務省、それに特に外務省は、日本経済をどう発展させたいのか真剣に考えているのでしょうか?冷泉さんのコラムにはいつも気付きがある。今回の「敗北主義」もそう。
ITの自由化は、ただでさえ顕著な二極化を助長する、弱者側の日本にとっては最悪な結果。そんな不甲斐ない政治を責める一方で、我々IT企業も米国の巨大資本に勝つ気が無いのも事実。
我々は今まで、巨人と戦わない方法だけを考えていたが、巨人に勝つ方法も考える必要があるのかもしれない。
ITの巨人が個の集まりに倒された例もある。オープンソース(OSS)文化がそのひとつ。ただシェア(占有率の方)の勝負ではOSSが圧勝したものの、AmazonやMSのような巨人がOSSにタダ乗りし、結果として資本独占が加速した。結局資本のルールでは政治の介入なしでは巨大資本には勝てない。
そうなると、OSSのように資本以外の価値観で戦う必要が出てくる。OSSの競争力の高さは「無償で働く」ことが源泉。料理の「おすそ分け」みたいなもので、作ったついでに皆にシェアしようという文化。このシェアの考え方は巨大資本に対抗し得る。
ただ個人的にはシェア文化は好きになれない。お金儲けだけが利益でなく、周りに喜んでもらうこともまた利益。日本でそれをやると「giveの同調圧力」が蔓延すると思う。そして「競争より共創」とか言いいながら搾取する輩が絶対に出てくる。
今のところ、日本のITが世界に勝つ方法は見つからない。それでも思考停止せず考え続けることが重要なのだと思う。