[東京 3日 ロイター] - 3日の東京市場は日経平均<.N225>が大幅続落となるとともに、為替が円高方向へ振れる展開となっている。前日の米株安と世界的な円高の流れを引き継いだ。

日経平均株価は寄り付きで300円を超す下落。その後も、円高進行を受けて一時500円超安と下げ幅を拡大した。

市場関係者からは「外部環境が悪化する中で、需給面では先行き海外勢のファンドなどの決算 を控え、実需売りが出やすくなるため、状況は厳しくなる。調整は長期化するのではないか」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声が聞かれた。

ドル/円は106円台まで下げ、9月25日以来、1週間ぶりの安値を更新した。「上値の節目だった108円半ばを抜け切れなかったことで、いったん下値を試そうとする動きが出やすい」(証券関係者)との声が出ていた。もっとも、下値では国内勢の買いが入るなどして、正午のドルは前日NY市場終盤の水準とほぼ同じ107円前半で推移している。

2日の米国株式市場では、ダウ工業株30種<.DJI>が494ドル安となり、主要株価3指数が軒並み1日としては約6週間ぶりの大幅な下げを記録した。

米供給管理協会(ISM)が公表した9月の製造業景気指数が2009年6月以来の低水準となったのに続き、2日発表の9月ADP全米雇用報告は、民間部門雇用者数が13万5000人増と事前予想の14万人増を下回るなど、景気悪化が懸念される指標が相次いだ。

航空機への補助金に関する米国と欧州連合(EU)の対立を巡り、世界貿易機関(WTO)が2日、米国が75億ドル相当の欧州製品に輸入関税をかけることを承認したのも不安心理を増幅した。

先行きリスクオフの動きが加速する可能性もあり、今晩発表のISM非製造業景気指数が予想を上回る悪化となった場合、「株価の下げが加速することが想定される」(三菱UFJモルガンスタンレー証券・チーフ投資ストラテジスト 藤戸則弘氏)との声もある。

*内容を追加しました。